カウンセラーのひとりごと

これまでに書き溜めた記事を毎日1つずつ、載せて行きたいと思います。

43. 過去を過去にする

カウンセリングのイメージ

過去を過去にする

今の苦しさの基を探っていく時、過去の済んでいない想いを、きちんと済ませる必要が出てきます。カウンセリングでは、「気持ちを吐き出すこと」や「感覚を感じなおすこと」をしながら過去を過去にしていきます。ここではそれについて書いていきます。

①吐き出すこと

過去を思い出して、あぁ悲しかった、ひどいな、寂しい、許せないなどの 感情に気づいてくると、当然それを出したくなります。 その気持ち・感情を、どんどん出していくのが吐き出しです。

例えば、親に我慢してきた方には、その抑えていた感情があるでしょう。 あの時はこうだった、こう感じていたのだけれど解ってもらえなかった、これが嫌だった、苦しかったなど、その時にはよく解らなかったことや、我慢していた事、伝わらなかった悲しみなど 押さえ込んでいた感情を、改めて出すことが吐き出し。感じていたことを、ただ、素直に自然に任せ出すということです。

これは、どちらかと言うと、脳の記憶を元に思い出される感情を話していくこと。これをやっていくと、溜まっていたものが出るのですっきりしますし、 楽になっていきます。 これは、お1人でも、誰かに聞いてもらってもできることです。

②感じなおすこと

一方、感じなおすというのは、引っかかりやその時の気持ち、その時の自分の感覚をもう一度振り返り再度感じれることです。 これは、心の奥で感じていたであろう感覚を辿ることで、これをやっていくと、その時の自分のまんまの感覚が カチっとはまる瞬間に出会うことができます。 当時の自分が、奥底の琴線に触れていたときと同じ感覚、まさしくその瞬間と繋がる感覚です。

例えば、肉じゃがを食べた時に、「あっ、これだ!」と、昔の「母の味」が蘇り、その当時の気持ちとどんぴしゃな感覚に触れる。また、沈丁花の香りに昔、別れた時の場面、辛かった心が蘇ったり、懐かしさや当時の空気まで思い出す。そういう感覚に似ています。

あぁ…こういうことだったんだ…というような感じで、それに辿り着けると、漠然とわからないまま揺れていた感情というか、 済んでいない想いが分かるのです。

③感情を流す

さて、吐き出しと感じなおし、どちらも大切で必要な作業です。でもそれだけでは不十分。それらを通して分かった気持ち、繋がった感情を、更に「流してやる」のです。

「流してやる」というと、またそれをしなきゃと思う方もいらっしゃるかも知れませんね。ですが、過去の想いを分かってやることで、これまでずっと止まっていたその気持ちに変化がおきます。感情や感覚が流れ始めるのです。

不思議ですよ。その時の境地が蘇る体感で過去に繋がると、過去の済んでいない気持ちが堰を切ったように流れ始めるのです。これこそカウンセリングの極意とも云うべき体験でしょう。

過去を過去にするというのは、埋まっていなかったピースを埋め、ようやく、少しずつだけど意味のある思い出となれるために必要な、大事な意味のある作業です。

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